レノボとNECの組織統合はしない。それぞれの顧客を大切にすることが大事--NECレノボ・ジャパン副社長 内藤在正
7月1日、PCの世界シェア第4位(2010年実績)のレノボと、国内トップのNECが、PC合弁会社NECレノボ・ジャパンを設立した。レノボ・ジャパンとNECパーソナルコンピュータを100%子会社とする持株会社形式で、レノボが51%の過半を握る。この合弁によって、NECレノボの国内シェアは、単純合算で25%と、2位の富士通(19%)を引き離す。6月にはドイツのコンシューマーPCベンダー、メディオンの株式買収を発表し、世界シェア3位も目前に迫っている。
当面は開発、生産体制は変えないというが、NECとどのようにコラボレーションし、成果を上げていくのか。IBM時代から「ThinkPad」の生みの親と呼ばれる、レノボ・ジャパンの内藤在正副社長に聞いた。
--レノボの大和研究所はIBM時代にThinkPadを生み出した実績があり、世界で3つしかない研究開発拠点の1つと聞いています。
レノボの研究所は、それぞれ役割を持っていて、アメリカではマーケティングや企画、深センではモバイル、といった具合です。大和研究所は、ThinkPadの開発から19年目になりますが、この蓄積を生かして、サーバーやPC全般の研究開発を行っています。機構設計からデザインまで、もちろん日本国内向けだけではなくグローバル市場を対象としています。また、性能、品質の検証も行っています。
とはいえ、顧客にとって、PCもスマートフォンもツールにすぎません。こういった複数のデバイスを統合したときにどう動くのか、すべてをカバーする必要があります。
--ThinkPadは法人に強い、というイメージがありますが。
われわれは、これまで顧客のビジネスにとっての「ベストのツール」を目指してプロ向けの機械にこだわってきました。主として大企業のITシステムの端末機器を作っていたわけです。しかし、顧客の幅が広がるにつれて、もっと小さな組織に合った機械の需要が増えてきた。1年半前に出した「ThinkPadEdge」は、そういった需要をとらえ、機能を「軽量化」したものです。