「加須駅と羽生駅は、朝夕には特急『りょうもう』も停まるんです。特急に乗れば、北千住まで1時間もかかりません。それに、高速道路のインターチェンジもありますし、イオンもある。だから、最近も結構新しい住宅ができたりして、新たに住みだした人も少なくないんですよ」(相良駅長)
そして、自由通路の一角には、「りくはしメモリアルボード」なるものが。りくはしとは陸橋、つまり駅を跨ぐ跨線橋のことだ。いまの自由通路や橋上駅舎ができるよりもはるか前、駅の東西を線路の上を跨いで移動する人もいて、事故もたびたびあったという。
駅に眠る小さなドラマ
当地の実業家・金子専一さんが、事故の悲劇を見て「りくはしがあったなら」と涙した妻の思いに応え、私財を投じて跨線橋を設けたのだという。1963年のことだ。
いまの羽生駅は、駅舎改装によって自由通路が設けられており、その当時の“りくはし”は消えている。しかし、当時の金子夫妻の思いはいまも受け継がれているといったところだろうか。東武伊勢崎線で埼玉県最北の駅、羽生。ここにも、小さなドラマが眠っているのであった。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら