加須の中心市街地は駅の北側だ。北口には東武ストアの入る駅ビル「かぞマイン」が併設されていて、ロータリーを抱える駅前広場。その周囲には住宅地が広がっている。駅長こそ置かれていない駅ではあるが、利用者数でみれば駅長のいる羽生駅ともほとんど変わらないという。そんなロータリーの一角でも、こいのぼりがはためいていた。
加須駅を出ると、またまた引き続いて東武の電車は直線で駆け抜ける。関東平野を直線で、というのは東武の路線の大きな特徴だ。これはつまり、開業当時の東武沿線はほとんど町という町もない田園地帯だったということだろう。いま、東武沿線に広がるベッドタウンは、まさに東武あってこそ生まれた市街地ということでもある。
「この辺りまで来ると、駅と駅の間は田園地帯が目立つようになってきます。都心から北関東に向けての助走区間といったところでしょうか。だから、のどかさもあって、それでいて利便性もそこそこで。住みやすいところだと思いますよ」(相良駅長)
ホームの不思議な「キロポスト」
南羽生駅もそうした駅の1つだ。直線区間の真ん中にあって、駅の構造は相対式2面2線。改札口は南側にあるだけで、上下のホームは跨線橋で結ばれている。実にシンプルなこの構造は、北関東の小駅でもよくお見かけするパターン。いよいよ群馬近し、を実感させてくれる駅ということか。
そんな南羽生駅の下り線ホームの真ん中には、56kmのキロポストが立っている。ホームの上のキロポストというのはめずらしい。相良駅長に聞いてみると……。
「めずらしいですよね。なんでホームの上にあるのかは……不思議ですよね(笑)。ホームの壁がもっと線路側にあったとか、駅が移動した結果、ちょうどホームの上になってしまったとか、いろいろな話がありますが正確なところはわかりません」(相良駅長)
駅の周りは小さな住宅地。ただ、南側に向けて徒歩で30分ほどのところには、イオンモール羽生が鎮座している。
イオンの駐車場がゆるキャラの祭典・キャラクターさみっとの舞台になったこともあり、昨年はイベントにあわせて南羽生駅利用者には羽生市からグッズがプレゼントされたという。相良駅長は「私たち駅としても一緒になにか盛り上げたい」と話してくれた。
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