大規模災害下での弱者 避難所や仮設住宅にも「災害弱者」の視点を

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 家族を失って独りになった人や老老介護の高齢世帯110人については、孤立状態を防ぐことを目的に、集会所で一堂に会して夕食を食べるという方法を導入。そのほかの仮設住宅入居者については、食材を市で用意し、集会所で配っている。

このように自立生活への橋渡しとなる仕組みが必要だが、災害弱者に配慮した避難所や仮設住宅の運営を心掛けている自治体は少ない。

日本では、75歳以上の高齢者がすでに総人口の10%を超えている。障害者や妊婦、乳幼児などを加えると、災害弱者は2割近くになる。それだけに、「本来すべての避難所は福祉避難所のような運営をすべきだ」(前出の海和氏)という指摘は重要だ。

(本誌:岡田広行 =週刊東洋経済2011年7月30日号)

※記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
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