大谷が「被害者A」と記された訴状の驚きの内容 水原はいかにして大谷までもだましたのか
訴状に含まれる文章の中で、ブックメーカーはこう書いている。「おい一平、金曜日の2時だぞ。なぜ電話に出ないのかわからない。今ニューポートビーチにいるんだけど、『被害者A』が犬の散歩をしているのを見かけたんだ。どうしたら連絡が取れるか聞いてみようと思ってね。すぐに電話をくれ」。
検察によれば、水原は借金を重ねるうちに、今年の初めに大谷の金32万5000ドルを使ってオンラインで野球カードを購入し、偽名でドジャースのクラブハウスに発送させたという。
捜査官は、水原の車を捜索した際、数個のブリーフケースの中からフアン・ソト、ヨギ・ベラ、大谷などのカードを発見した。検察は、水原がカードの転売を計画していたと考えていると述べた。
野球の話なので、刑事告訴状には数字がびっしりと書かれていた。
- 1万9000ベット。
- 1万9000のベット。$142,256,769.74の総勝利ベット。
- 負けたベット総額$182,935,206.58。
大谷にとって、そしてMLBにとって救いだったかもしれないことは、検察によれば、水原の賭けはどれも野球に関するものではなかったということだ。
このニュースが韓国で報じられたとき、MLBは話のすり替えに警戒し、大谷が何らかの形で賭博スキャンダルに巻き込まれ、スポーツ全体に泥を塗る可能性があるのではないかと心配したと、この問題に詳しい2人の関係者は語った。
チームメートと打ち解けようとしている
その心配は1週間後、大谷選手がドジャースタジアムで記者団に詳しい説明をし、水原が自分から盗んだと述べ、捜査に協力すると約束したことで解消された。野球関係者は、大谷が連邦当局とリーグの両方が調査することを知っていながら、そんな話をでっち上げるわけがないと感じていたという。当局が水原を起訴し、彼に対する疑惑の詳細を明らかにしたことで、残っていた疑惑は晴れた。
ドジャースとしては、優勝で終わらないなら多くのファンが失敗の烙印を押すだろうシーズンの序盤ではディビジョンのトップに立っている。大谷のバットはヒートアップしている。クラブハウス内では、水原という緩衝材を失った大谷は、チームメイトと打ち解けようと努力していると選手たちは言う。
ドジャースのデーブ・ロバーツ監督は、2週間前に大谷がロサンゼルスで報道陣の取材に応じた後、「ここ2、3日、翔平はチームメートとさらに親しくなっていると思う」と記者団に語った。「そして、これはいい側面しかない」。
(執筆:Tim Arango記者、Michael S. Schmidt記者)
(C)2024 The New York Times
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