大谷が「被害者A」と記された訴状の驚きの内容 水原はいかにして大谷までもだましたのか
水原は、取引のアラートや確認が大谷ではなく自分に来るように口座の設定を変えていた。銀行から入手した電話の録音をもとに、検察は水原が大谷になりすまして特定の大口の取引について銀行の承認を得ていたとも述べた。
また、大谷の代理人、税務署員、簿記係、ファイナンシャル・アドバイザーなどほかのアドバイザー(全員今回の件で聴取を受けている)が口座について尋ねると、彼らに対して水原が、大谷は口座については開示したくないと伝えていた。
ロサンゼルスのE・マーティン・エストラーダ連邦検事によれば、水原は2021年11月から今年1月にかけて、「違法なスポーツ賭博への貪欲な欲求」を満たすために口座から1600万ドルを盗んだという。
「被害者A」と記された大谷
大谷はここ数年、さまざまな呼ばれ方をしてきた。現代のルース。野球修行僧。日本で最も有名な市民。11日に当局が発表した刑事告訴状では、彼は単に 「被害者A」とされている。
訴状には、水原が負けを重ね、何度も限度額の増額(賭博の世界では「バンプ」と言われる)を重ねる様子が、水原と連邦捜査の対象にもなっているブックメーカーとの間で交わされたメールのやり取りに記されている。
2022年の水原からのメールにはこうある。「スポーツ賭博は苦手なんだ(笑)またバンプしてくれる??知っての通り、僕が払わないことを心配する必要はないよ」。
大谷がこの賭けについて知っていたという証拠はないが、ブックメーカーは水原と大谷のつながりを知っていた。11月、このブックメーカーは水原と連絡が取れず、大谷の居場所を知っているとしながら、大谷にこのことを晒すと脅した。