日本の"あの食材"が「脳疲労」をとるのに超役立つ ムダ思考を減らし「脳を深く休ませる」簡単方法

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なぜ、瞑想をすると、こんなにも心が落ち着くのでしょう。

注意容量を奪うと、ムダな思考がへる

心理学の見地からは、「注意容量」というキーワードを使って説明できます。 

人間の心は 「考えてはいけないと意識するほど、かえって考えてしまう」 性質を持っています。

「グズグズ考えているから動けないんだ、考える前に動け」と言われても難しいのはそのため。

しかし、人間が何かに向けていられる注意の量には限りがあります。

ならば、注意容量を使い切ればいい。そこで、瞑想です。

瞑想によって「今、この瞬間」に意識を向け、注意容量を使い切れば、何も考えずに済みます

瞑想が注意容量を奪う力は強力です。

私はそれをお寺での修行中に実感しました。

雲水の修行は精神的にも肉体的にもハードです。

私は30歳と少々遅めの入門でしたが、多くの雲水さんは20~25歳くらいの「現代っ子」でした。

修行に耐えかねて「帰りたい」と泣き出す後輩もいました。

それなのに、うつ状態のように心身のエネルギーが枯渇して寝込んでしまう人は、少なくとも私が修行させていただいた3年余りの間は誰もいませんでした。

毎日クタクタになるまで働いて、夜は「布団に入った瞬間に、もう朝」かと思うほど一瞬で深い眠りに落ちる。

これほどの厳しい修行で注意容量を消費していたら、あれこれと思い悩む暇もない、ということなのではないでしょうか。

寝転んでポテチを食べる羊のイラスト
「面倒」などネガティブな考えは注意容量を奪うことで考えなくなる(イラスト:『「心の勢い」の作り方』より)
川野 泰周 臨済宗建長寺派林香寺住職/精神科・心療内科医

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かわの たいしゅう / Taishu Kawano

精神科医・心療内科医/臨済宗建長寺派林香寺住職。精神保健指定医・日本精神神経学会認定精神科専門医・日本医師会認定産業医。一般社団法人日本モメンタム協会理事。
1980年横浜市生まれ。2005年慶応義塾大学医学部医学科卒業。臨床研修修了後、慶応義塾大学病院精神神経科、国立病院機構久里浜医療センターなどで精神科医として診療に従事。2014年末より横浜にある臨済宗建長寺派林香寺住職となる。
現在、寺務の傍ら都内及び横浜市内のクリニック等で精神科診療にあたっている。

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恩田 勲 JoyBizコンサルティング代表取締役社長/一般社団法人日本モメンタム協会理事

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おんだ いさお / Isao Onda

1957年生まれ。1982年日本大学法学部法律学科卒業。
卒業後国内最大手の民族系コンサルタント会社にて営業職を経て行動科学理論を基軸においた人材開発を主としたコンサルタントとして活動。2008年に実務を経験すべく大手機械商社の経営企画部門に転職した後、2009年JoyBizコンサルティング株式会社を設立し、組織開発を主としたコンサルティングを手掛ける。
現在はクライアント企業の経営陣を対象としたコンサルテーションや人材や組織を活性化させるオリジナルのプログラム開発を行っている。。

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