リッチモンド、顧客満足度1位に「なっちゃう」神髄 目指さずとも…要因は"委ねる"から生まれる主体性

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「基本のサービス指針は企業理念にある『ひとと自然にやさしい、常にお客さまのために進化するホテル』を目指しており、ベーシックマニュアルも存在します。ですが、それ以外は変幻自在といいますか、現場スタッフが考えて行動できるようにしています。

たとえば弊社では、顧客ターゲットを全国43ホテルで4分類しており、レジャー、ビジネス、その間が2分類あります。それぞれに、そして立地やゲストによっても求められるサービスは異なるため、必要とされるサービスを各ホテルで考えているのです。

一番お客様の近くにいる現場スタッフが、目の前のゲストに行いたいサービスをどう表現していくかを重視しているということです」

トップダウンではなく、ボトムアップ。現場の声を拾うサービス。だからこそ、日々刻々と変わるゲストのニーズに応えることができるのだ。

そして、これを象徴するのが、「CS向上委員会」の存在だ。「CS向上委員会」とは、社員、アルバイト、社歴にかかわらず、サービス向上に想いを持ったメンバーが各ホテルを代表して集う会議のこと。年に1、2回集まって、日々の接客から生まれる疑問や課題を共有、「自分たちはどんなサービスがしたいのか」について2日間ディスカッションを行う。

リッチモンドホテル
2019年に開催された「CS向上委員会」の様子(写真:リッチモンドホテル提供)

「過去には、お客様に向けて『どんなサービスがあったらうれしいですか』というアンケートを実施したこともあります。その結果を受けて当時は前例のなかった消臭・除菌スプレーと、携帯電話の充電器を全ホテルに設置しました」と宗像氏。

「おもてなし」を真面目に語り合う

2023年は、「おもてなし原点会議」という名称で活動し、「コロナ禍でお客様との間に生まれてしまった距離を縮めるために、どういうおもてなしがしたいか」を分析。自分たちが行いたいサービス場面を映した動画を作成し、全ホテルで共有したという。

2024年は「おもてなし継承会議」という名称で活動することになっている。会議名や活動内容も、執行部に選出されたスタッフが話し合って決めているのだ。

リッチモンドホテル
「おもてなし原点会議」の結果、客室に消臭スプレーが常設されるようになった(写真:リッチモンドホテル提供)
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