高層ビル「台北101」が大地震でも無傷だった秘訣 5年間「世界一」を守ったビルの"制振・耐震設計"

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台北市在住の筆者は地震発生当時、ちょうど自宅を出るところだった。

最初は「なんか揺れてる?」程度だったのが、すぐに大きな揺れに変わり、「これはまずい」と机の下に隠れた。天井を見たら、25センチほど離れている2つの照明器具が、あわや衝突かというほどに揺れていた。

30秒ほど経っただろうか。揺れが収まったため、恐る恐る机の下から這い出し、室内の様子を観察した。マンションの3階にある我が家は、幸いにして物が倒れたり壊れたりすることはなかった。

職場はどうなっているだろうか。

出勤を急ごうと地下鉄の駅に向かったが、地下鉄は動いていない。おりしも通勤ラッシュの時間帯。筆者と同じく、代替交通手段を求めてさまよう人たちが、街中にあふれていた。

止まっている地下鉄の駅から、次々と人が出てくる。平常時の何倍にものぼる人たちがタクシー乗り場に押し寄せたため、タクシーは一向につかまらない。バスは動いていたのでタクシーはあきらめて、バスで職場に向かうことにした。

自宅とはまったく違った職場の状況

職場に到着して思わず目を見張った。

地震発生後の職場の様子。引き出しが開いて中のものが飛び出し、コピー機が大きく移動している(写真:筆者撮影)
床に落ちたウォーターサーバーボトルと傾いたポスター(写真:筆者撮影)
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