東京に「フォーミュラE」は本当に必要なのか? 「おもしろかった」で終わらせない議論を

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一方で、東京ビッグサイト東館の中で食事をしながら、大画面でレースを楽しめるメリットもある。鈴鹿サーキットや富士スピードウェイといった大規模サーキットでも、観客がゆったり過ごせる大きな室内空間はほとんどない。

東京E-Prixでは、ドライビングシミュレーターでeスポーツを楽しんだり小型電気カートで子どもたちが走行したり、天候を気にせずレースとアトラクションを楽しめる環境に好印象を持った。

eスポーツ向けドライビングシミュレータを体験するGAMING ARENA(筆者撮影)
eスポーツ向けドライビングシミュレーターを体験するGAMING ARENA(筆者撮影)

また、レースチケットを購入していない人でも無料で楽しめる「E-Tokyo Festival 2024」を実施したのもよかった。こちらは日本の自動車メーカー各社が量産しているBEV、プラグインハイブリッド車(PHEV)、燃料電池車(FCEV)、EVバイク、超小型モビリティなどを展示したものだ。

E-Tokyo Festival2024で展示されたekクロスEVとリーフ(筆者撮影)
E-Tokyo Festival 2024で展示されたekクロスEVとリーフ(筆者撮影)

出展した複数の自動車メーカー関係者に、フォーミュラEとE-Tokyo Festival 2024について聞いてみた。

すると「フォーミュラEは日本では無名であり、どうなるものかと心配していたが、かなりの人が集まっていて驚いた」「(こうした電動車展示スペースは昨年の)ジャパンモビリティショーよりゆるい雰囲気だが、より自然な形で電動車に触れてもらえている」といった反応があった。

主催者発表では、フォーミュラEとE-Tokyo Festival 2024を合わせた入場者数は2万人だったという。

スタート前に岸田首相と小池都知事が

3月30日15時からの決勝スタートを、筆者はメインストレート先の第1コーナー奥のカメラマンスタンド近くで待ち構えていた。すると、コースを逆走して黒塗りのセンチュリーが護衛のクルマに囲まれてスタート/フィニッシュラインに向かい、しばらくして観客席から歓声があがった。

スタート前、メインストレートに姿を見せた岸田首相と小池都知事(写真:Formula E)
スタート前、メインストレートに姿を見せた岸田首相と小池都知事(写真:Formula E)

サプライズで登場した岸田首相が、環境にやさしいフォーミュラEの東京開催を祝福したのだ。国は「2050年カーボンニュートラル」を掲げ、GX(グリーントランスフォーメーション)政策を推進しているところだ。

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