酔っ払いはアウト「令和の飲み放題」こう変わる 中生ビール3杯を超えると急性アル中のリスク

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しかし、こうした従来の飲み放題では、集客への訴求力として十分ではなくなってきている。コロナを経て飲み会に関する認識は大きく変化した。飲み会の頻度が減っただけでなく、注文する商品にも変化がある。

ビールやハイボールだけでなく、サワーやカクテルなど多様なアルコール商品に加えて、低アルコールやノンアルコールの商品の需要は増加している。これらを飲み放題メニューにも反映するのは自然な流れとなっている。

外食産業は回復基調にある中、居酒屋業界を取り巻く環境はなお厳しい。日本フードサービス協会によると2024年2月の居酒屋業界の売り上げは、コロナ前の2019年比で67.2%と回復途上にある。

特に大人数の宴会需要は戻っていない。飲み会の存在意義すらも疑問視されるようになっている中で、居酒屋業界全体の売り上げを伸ばしていくことは容易でなくなってきている。

居酒屋からレストランへシフトも

実際にコロワイドはグループ全体に占める居酒屋店舗の割合を下げている。2019年3月末の居酒屋比率約20%から、2023年3月末は約10%へ半減している。引き続きレストラン業態の「牛角」などを積極的に出店する方針だ。

ガイドラインを踏まえると、飲み放題メニューの存在が問われても不思議ではない。令和の時代に飲み放題をどう展開するのか、居酒屋チェーンの姿勢やアイデアが問われることになりそうだ。

金子 弘樹 東洋経済 記者

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かねこ ひろき / Hiroki Kaneko

横浜市出身で早稲田大学政治経済学部を卒業。2023年4月東洋経済新報社入社。現在は外食業界を担当。食品ロスや排出量取引など環境問題に関心。

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