松本人志VS文春の訴訟が盛り上がりに欠けるワケ 松本さんにとって勝訴以上に重要なものとは

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両陣営とも発言でイメージダウン

なぜ1~2月のムードから一転して冷めた目線が増えているのか。

週刊文春の報道がひと段落してネットメディアの記事やSNSのコメントが減るなど、冷却期間が生まれたこと。さらにその間、大谷翔平選手の活躍や元通訳の違法賭博が大々的に報じられていたことなどは、トーンダウンした一因と言っていいでしょう。

ただトーンダウンこそしたものの、松本さんと週刊文春に関する記事やコメントは消えることなく続いていました。「3月28日の第1回口頭弁論まで小休止」というムードがあり、「そのときになれば再び活発な議論が交わされるだろう」という見方をされていたのです。

そんなムードや見方を変えたのが、週刊文春と松本さんの双方が発信したコメントによるイメージダウン。どちらのコメントも、世間の人々に疑問を抱かせ、「どっちもどっち」という冷めた目線につながってしまった感がありました。

まず週刊文春は竹田聖編集長による約45万部完売御礼のコメントに賛否の声が殺到。ネットメディアや情報番組が、過去に週刊文春が敗訴したいくつかのケースや損害賠償額の少なさなどを報じたこともあって、風向きが怪しくなりはじめました。

さらに文藝春秋・新谷学総局長による「彼女の証言だけで裏付ける証拠はない」「刑事事件として立件するのは不可能」「強者に一太刀あびせること自体は大事」などのコメントが報じられると反発の声が続出。報道の正当性をアピールするどころか、そのイメージは一気に悪化していきました。

また、松本さんの大阪での飲み会に参加したという霜月るなさんが週刊文春の報道を否定するコメントを繰り返したほか、サッカー日本代表の伊東純也選手に関する「週刊新潮」の報道に対する批判なども加わって、週刊誌全体に対する不信感が高まっています。

名誉回復に次ぐもう1つの訴訟目的

一方の松本さんも25日、約2カ月半ぶりにXを更新。第1回口頭弁論を目前に控え、「人を笑わせることを志してきました。たくさんの人が自分の事で笑えなくなり、何ひとつ罪の無い後輩達が巻き込まれ、自分の主張はかき消され受け入れられない不条理に、ただただ困惑し、悔しく悲しいです。世間に真実が伝わり、一日も早く、お笑いがしたいです。ダウンタウン松本人志」というコメントを投稿しました。

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