土地が安くて幸福度が高いコスパ良好の地方都市 大都市圏の地価上昇が進む中での穴場はどこ?

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富山市の暮らしのデータをピックアップしてみよう(令和5年の家計調査=2人以上の世帯)。

消費支出:32万7503円(全国4位)

住居費:1万9413円(全国18位)

教育費:6256円(全国40位)       

エンゲル係数:26.5(全国34位)

コンパクトな街づくりで周遊性が高まる

令和5年の2人以上世帯の消費支出は32万7503円で、全国4位と大きい。もっとも、教育や教養娯楽、保健医療、エンゲル係数などが全国水準よりも低い。

可処分所得は53万4798円で全国9位。可処分所得に対する貯蓄純増の割合である平均貯蓄率は36.9%で、全国16位だ。このほか、持ち家率77%(2018年)は全国2位、1住宅当たり延べ面積143.57平方メートルは全国1位だ。

都市環境はどうか。富山市の人口は40万5853人(2月末)。公共交通を軸としたコンパクトシティを標榜してきた。富山駅高架下で富山駅南側の市内電車と北側の富山港線を接続し、LRT(ライトレール)ネットワークの強化を図ったことで街の周遊性が高まり、観光客だけでなく地元住民にも好評だ。

「6系統ある路面電車をうまく活用すれば、地方なのにマイカーがなくても十分暮らしていけます。2020年に南北接続事業が完了して、ますます便利になりました。富山駅から25分ほど乗れば岩瀬浜というかつて北前船で栄えた港町にも行けます。その港町から標高3000メートルの立山連峰を眺める。自然あふれる地方都市の魅力です」(富山在住の60代男性)

幸福度ランキングで全国4位と判定されただけのことはある。そんな幸福度の高い県庁所在地の地価が全国の県庁所在地で9番目に安いのである。

立山連峰を背景に走る路面電車(筆者撮影)
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