植草:今の若い人には欲と情熱、この2つが欠けているように思います。スマホがあればなんでも買える時代ですから、わざわざ外に出て自分で探しに行かないと何も手に入れられない時代とは違う。
しかも、コロナ禍でレジャーが家メインに変わったじゃないですか。バブル時代は、仕事が終わったらバーに行ったりドライブしたりしていたけど、今はいち早く家に帰って、ウーバーイーツしてNetflixでドラマを見るほうが気楽ということになった。だから出会いがない。
「盆暮れ正月」1人では間がもたなくなる
東村:これからもどんどん家が中心の生活になっていくと思います。そうなるとパートナーや子どもがいないと間がもたないんですよね。緊急事態宣言のとき、私は息子と一緒にNetflixを見まくって楽しく過ごしましたが、ずっと1人だったらキツかったかも。
コロナ禍に限らず、年を重ねると盆暮れ正月、クリスマスなども1人では“間”がもたなくなる。若いときはハワイだ韓国だと行きまくっていても、だんだん飽きてくるし、疲れるし、周りが結婚して子どもができて一緒に行ってくれなくなって、間がもたない。
植草:そういうとき「私はなんで結婚していないんだろう、違う生き方もあったんじゃないか」と冷静に考えて、婚活を始めるわけです。
東村:先日、文化人類学者の船曳建夫先生と対談しました。船曳先生によれば、結婚する人が減ったのは、衛生観念が上がって女が男に過剰な清潔感を求めるようになったことが一因としてあるそうです。だから「男も脱毛するといい」とおっしゃってました。植草先生も婚活のときに男性会員に脱毛を勧めていらっしゃいますよね。さすがです。