人が老化する「科学的原因」と結局やるべきこと 抗加齢に「ブレイクスルー」はあるか

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ニューヨーク・タイムズ紙は、老化の特徴、それがどのように病気につながるのか、そして科学者がどのようにそれを修正しようとしているのかについて専門家に尋ねた。すべての特徴をここに挙げているわけではないが、主なテーマの2つ、消耗と破損、そして廃棄の問題を以下に紹介する。

消耗と損傷

加齢に関連した変化の多くは、私たちの細胞、さらには遺伝子が、年を取るにつれてダメージを受け、機能しなくなることから始まる。

「10億ドルに相当するクエスチョン」

・DNAの問題

私たちの遺伝子は生まれたときから決まっていると考えられているが、DNAは長い年月をかけて変化を蓄積していく。細胞分裂の際、DNAが別の細胞にコピー・アンド・ペーストされる際に、自然発生的にエラーが生じることがある。また、太陽からの紫外線などの環境暴露の結果、突然変異が起こることもある。

私たちの細胞には、このような遺伝子の突然変異を修復する方法が備わっているが、加齢とともにその効率は低下する。科学者たちは、なぜDNA修復メカニズムが衰えるのか、その理由を正確に把握していない。

「これは10億ドルに相当するクエスチョンだ」と、カリフォルニア大学バークレー校のアンドリュー・ディリン教授(分子細胞生物学)は言う。「わかっているのは、加齢とともに効率が落ちるということだけだ」。

この主な結果は、細胞が正常に働かなくなり、”ゴミ”として処理されることである(これについては後で詳しく述べる)。最悪の場合、腫瘍を抑制する遺伝子に突然変異が起こり、がんの発症につながることもある。

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