老後が不安な人が「モノを捨てるべき」納得の理由 人生に必ずある「捨て期」「捨て活」の勘どころ

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お金関係の整理にも早めに手を付けておきたいものだ。長い間利用していない口座や、ほとんど出番がないクレジットカードは、早めに解約手続きをしておくと面倒がない。それに、10年以上取引がないまま休眠預金となってしまった“埋蔵金”を発見できるかも。その場合は、口座の解約前に払い戻しの手続きを(休眠預金化している場合は、窓口での手続きが必要となるケースも)。ほとんど使っていないクレジットカードも、年会費が発生している場合がある。次の引き落としが来る前に解約を済ませよう。

使っていない商品券やギフトカードが出てきたら、有効期限を確認することが肝心だ。保管したまま期限が切れてしまっては、もはやただの紙切れになってしまう。期限の記載がないものでも発行元が今後の発行・利用を終了してしまうと使えなくなるので注意したい。該当する金券は金融庁のサイトで確認でき、期間内なら発行者に払い戻しの申し出ができる。

現役時代は健康に自信があった人でも、年相応にトラブルが出てくるもの。加入している保険の内容を改めて確認し、保険証券はすぐ取り出せる場所にしまっておきたい。お金の書類は老後が近づくほど出番が増えるのだから、こちらはうっかり捨てないように。

悩まないものからどんどん捨てる

捨てる作業は根気もいれば体力もいる。簡単にできるものから始めるといいだろう。捨てやすいのは、もはや不要とはっきりわかるものだ。

・本体はすでに処分した家電の保証書や取扱説明書。昔の携帯の充電器、何用だったかもわからないコード類
・解約した保険やカード類の約款
・期限切れとなった保存食品や缶詰、薬品類
・現役時代と働き方が変わり、着なくなったビジネス用スーツや靴

筆者も膝上丈のスカートなど年齢的に着られない服を処分した。洋服は「まだ着られるか」より、「他人の前に着ていけるか」を考えたほうがいい。

だんだん体力が衰えていくことを見越して処分しておいたほうがいいものもある。

・重すぎる鍋や、大きなガラスの花瓶
・踏み台が必要なキッチンの吊戸棚や、天袋内にしまったモノ
・2階にある家具とその中のモノ

たとえわが家であっても、シニアになると年々階段の上り下りがつらくなると聞く。一戸建てで2階が子供部屋だったようなケースなら、子供たちに責任を持って処分させてもいいだろう。

筆者はシュノーケルをするのが楽しみなのだが、一定の年齢を超えたら断念しようと考えている。自分は若いつもりでも、体力の衰えとともに水難事故にあう確率は高くなる。周囲にも迷惑をかけるので、いずれかの年齢で卒業し、道具も捨てることになりそうだ。

それでも捨てられないのが、「思い出の品」だろう。大切なものは人ぞれぞれで、すべてを捨てる必要はない。ただし、残された人が悩まずに捨てられるように、コンパクトにまとめておきたい。

モノが多いと、必要な時に見つからず二重に買ってしまったり、収めるためにさらに収納グッズを買ったり、広い家に住み続ける必要があったりと、余計なコストがかかるもの。おまけに、最初に書いたように捨てるには気力と体力と財力が必要だ。老後生活を思い浮かべた時が「捨て期」の始まりととらえ、後回しにすることなく取り組もう。

※モノの捨て方は自治体のルールに従ってください。また悪質な買い取り業者にも注意しましょう。

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松崎 のり子 消費経済ジャーナリスト

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まつざき のりこ / Noriko Matsuzaki

20年以上にわたり『レタスクラブ』『レタスクラブお金の本』『マネープラス』などのマネー記事を取材・編集。家電は買ったことがなく(すべて誕生日にプレゼントしてもらう)、食卓はつねに白いものメイン(モヤシ、ちくわなど)。「貯めるのが好きなわけではない、使うのが嫌いなだけ」というモットーも手伝い、5年間で1000万円の貯蓄をラクラク達成。「節約愛好家 激★やす子」のペンネームで節約アイデアも研究・紹介している。著書に『お金の常識が変わる 貯まる技術』(総合法令出版)、『「3足1000円」の靴下を買う人は一生お金が貯まらない』(講談社)、『定年後でもちゃっかり増えるお金術』(講談社)。
【消費経済リサーチルーム】

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