UBSの調査チームが中国経済の先行きに関して最も懸念するのは、不動産市況の低迷にいまだ底打ちの気配がないことだ。それは中国経済の成長の重石になるだけでなく、デフレ圧力を増大させる。
それでも、「不動産市況がさらに(大幅に)悪化するか、(中国社会の不安定化につながる)リスク事象が噴出しない限り、中国政府は不動産業界に対する追加支援に踏み切らないだろう」と、汪氏は予想する。
なぜなら現在の不動産不況は、中国の人口構成の高齢化や住宅在庫の過剰、不動産デベロッパーの過剰債務など、複数の構造的要因が絡み合った結果だからだ。いかなる対策もリスクや痛みが避けられない。
住宅在庫の買い上げも一案
「中国政府は、このような(不動産市場の)構造変化の現実を受け入れるべきだ。市況の低迷が(社会不安を招きかねない)過度な調整につながるのを防ぎ、不動産以外の業界や企業、市民生活に及ぼすマイナスの影響が拡大しないよう、何らかの手立てが必要だ」(汪氏)
その具体案としてUBSは、(国有銀行などへの指導を通じた)不動産デベロッパーに対する資金繰り支援の拡大や、(デベロッパーが予約販売した)新築マンションの購入者への物件引き渡しを着実に進める金融支援などを挙げる。
さらにUBSは、不動産デベロッパーが抱える住宅在庫を政府が買い上げ、中低所得層向けの公営住宅として活用することも提案した。
(財新 駐香港記者:王小青、劉悦鈴)
※原文の配信は3月7日
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