もうすぐ発表「アカデミー作品賞」候補を一挙解説 『オッペンハイマー』など、注目作がそろう

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アカデミー賞の前哨戦となる英国アカデミー賞作品賞、ゴールデングローブ賞作品賞(ドラマ部門)、全米製作者組合賞(PGAアワード)作品賞などでも軒並み受賞が続いており、今年の主要な賞レースでも無双状態。本年度アカデミー賞の大本命であることは間違いなく、何部門獲得するか、というところが見どころとなりそうだ。

オッペンハイマー
『オッペンハイマー』のメガホンをとったクリストファー・ノーラン監督(左)と、公私ともにパートナーであるプロデューサーのエマ・トーマス(右)©A.M.P.A.S.

その他の注目作は『女王陛下のお気に入り』のヨルゴス・ランティモス監督が、『ラ・ラ・ランド』のエマ・ストーンとタッグを組んだ『哀れなるものたち』で、11部門にノミネート。

哀れなるものたち アカデミー賞
ヴェネチア国際映画祭で金獅子賞を受賞するなど高い評価を受ける『哀れなるものたち』。アカデミー賞ではエマ・ストーンが主演女優賞の最有力候補に © 2023 20th Century Studios. All Rights Reserved

エマ・ストーンのR18+の体当たり演技は大きな話題を集めており、ゴールデングローブ賞や英国アカデミー賞などで主演女優賞を獲得、アカデミー賞でも主演女優賞の最有力候補と言われている。

もし彼女が受賞すれば、『ラ・ラ・ランド』に続いて2度目の主演女優賞となる。ちなみにアカデミー賞の作品賞はプロデューサーに授与される賞であるが、本作にはエマ・ストーンがプロデューサーに名を連ねているため、もし同作が作品賞を獲得することがあれば、エマ・ストーンにもオスカー像が授与されることとなる。

エマ・ストーン アカデミー賞
『哀れなるものたち』で監督賞、作品賞にノミネートされたヨルゴス・ランティモス監督(左)。これまで『籠の中の乙女』(外国語映画賞)、『ロブスター』(脚本賞)、『女王陛下のお気に入り』(作品賞・監督賞)でノミネートされている©A.M.P.A.S.

そして巨匠マーティン・スコセッシとレオナルド・ディカプリオが6度目のタッグを組み、さらにそこに名優ロバート・デ・ニーロも加わった、3時間20分近くにもおよぶ叙事詩『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』も10部門にノミネート。

オクラホマで起こった先住民族の連続殺人事件をスリリングに描き出している。『哀れなるものたち』のエマ・ストーンの対抗候補として、主人公の妻を演じた、ネイティブアメリカン女優リリー・グラッドストーンを主演女優賞に押す声も多い。

作品賞10本のうち3本は女性監督

さらに今年は作品賞10本のうち、『落下の解剖学』(ジュスティーヌ・トリエ監督)、『バービー』(グレタ・ガーウィグ監督)、『パスト ライブス/再会』(セリーヌ・ソン監督)の3本が女性監督ということも話題となっているが、大ヒットを記録した『バービー』のグレタ・ガーウィグ監督が監督賞の、主演のマーゴット・ロビーが主演女優賞のノミネートを逃したことは大きな話題となった。

バービー アカデミー賞
世界中で大ヒットを飛ばした『バービー』。作品賞を含む7部門8ノミネート(歌曲賞が2曲)を果たした(C) 2023 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.
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