事故に即応「突発的臨時列車」はなぜ運転できたか 新幹線停電や羽田事故、その時鉄道各社は?
また、新幹線の停電が起きた1月23日と翌24日は、常磐線の特急「ひたち」の一部列車も、臨時にいわき―仙台間を快速として延長運転した。
通常のダイヤでは、東京方面と仙台を結ぶ「ひたち」は1日3往復だ。臨時快速は、単に運転区間を延ばしただけではなく、複雑なやりくりで車両を確保した。
「ひたち」臨時快速はどう運転したか
まず臨時でいわき―仙台間を運転することになったのは、下りの9号(品川10時45分発)だった。この列車は13時15分にいわき着、そこから仙台まで快速として運転した。
一方、上り仙台発の最初の臨時列車となったのは、通常はいわき始発(16時18分発)の22号で、仙台を13時25分発となった。9号の仙台着より早いため、この列車には9号の車両は使えない。ではどうしたのかというと、この列車には通常ダイヤで品川―仙台間を走る下りの3号(仙台12時29分着)の車両が充てられた。3号の車両は、本来は上り26号(仙台16時06分発)として品川に折り返すため、そのままでは26号に使う車両がなくなってしまうが、ここに臨時快速として仙台に到着した9号の車両を充当した。
さらに、臨時で仙台まで延長した下り25号(品川18時45分発)の車両を、翌日の上り8号(仙台6時46分発、通常はいわき始発9時20分)に使用した。
この快速列車のダイヤは、あらかじめ決まっておらず、新幹線の長時間の運転見合わせを受けて対応した。だが、臨時運転の前例はあった。2021年2月、2022年3月に発生した福島県沖地震の際にも同様の対応を行っていた。その経験を活かし、「迅速に対応できたと考えております」とJR東日本は説明する。
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