"解像度の高い人"が「ハッ」とする意見を言える訳 ほかの人との違いは「抽象化思考力」
「解像度が高い人」がなぜ「物事をわかりやすく伝えられる」かというと、ただ「具体化思考」や「抽象化思考」ができるだけではなく、「具体(的)」と「抽象(的)」を自由に行き来しながら、相手が一番理解しやすいあんばいで話すことができる思考の調整力があるからです。
世の中にコミュニケーションの本がたくさん並ぶのに、なかなか解決しない原因はここにあります。コミュニケーション・ギャップが起きてしまう本質は、実はこの「相手の『具体度(抽象度)』に合わせようとしていない」ということなのです。
ただ、ここで一つ強調しておきたいのは、「『具体的』がよくて、『抽象的』がダメ」という単純な話ではないという点です。
「具体化」も「抽象化」も等しく重要です。両者は役割が違うというだけで、「解像度が高い人」になるには両方が欠かせません。あくまで、ここでの問題は「相手に合わせていない」という点です。
「具体」と「抽象」の調整力
今回のようなシーン、本当に優秀な人であれば、相手の反応を見て具体的な「たとえ話」などを使うでしょう。
例えば、“ストーリー”を売る、ということであれば、実際にその商品を購入した人が、日常生活の中でその商品をどんなふうに使い、どんな暮らしを体現しているのか?
「クルマのテレビCMなどでは、そのクルマを購入したある一家が休日にピクニックに出かけたり、仕事で帰りが遅くなった夫を妻が駅まで迎えに来たり、息子を送り届けたり……といった日常風景をドラマ仕立ての短編ストーリーにしたものをよく見かけますよね? 要するに、あれと同じことです。そのような、消費者が買いたくなる体験ストーリーを想起してもらうことが大事なのです」
そんなふうに「たとえ話」をするのもいいでしょう。それで、話はぐっと「具体(的)」になり、今回の「具体的な話のほうが理解しやすい人」には理解がしやすいものとなります。
「『話がいまいち、ピンとこない』と言われる……」という悩みを解決するには、このような「具体」と「抽象」を自由に行き来する「具体⇄抽象思考力」を鍛え、「思考の画像内での調整力」を身に付ける必要があるのです。
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