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手探り1年半「トップバリュ変える」チームの闘い イオンは「世の中にない商品」をいかに作ったか

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「世の中にない商品を作って、トップバリュを変えよう」。そんな呼びかけに結集した社員たちの1年半の苦闘。

イオントップバリュ社で立ち上がったプロジェクトチームのメンバー。左から3人目がリーダーの大嶋努氏(撮影:梅谷秀司)

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2022年春、千葉市幕張にある会議室。白い模造紙が広げられ、アイデアの書かれた付箋が次々と貼られていく。お題は「こんなものあったらいいな」。参加者は自分が食べてみたい、実現してみたい商品を、思いつくままに次々と出していった。

イオングループでプライベートブランド(PB)の「トップバリュ」開発や販売促進を担う、イオントップバリュ株式会社(TV)。同社初のプロジェクトチームは、こうしてそろりと始まった。チームに与えられた課題は、「世の中にない商品を作り出すこと」だ。

あらゆる部署から集められた混成チーム

2022年春、TV社長に就任した土谷美津子氏は、就任の際の社内メッセージで「世の中にない商品を作り出し、トップバリュを変えよう」と社員に呼びかけた。

一般的にこれまでのPBは、メーカーが作るナショナルブランド(NB)の代替品という位置づけだった。NBよりも安く、NBよりもおいしく。常にNBが基準だった。

だが、顕在化したニーズばかりを狙っていては、消費者から本当の意味でのブランドとして評価されない。「自分にとって価値のあるものにはお金を出す」という消費者行動の変化に対応するためにも、これまでにない商品が必要だった。イオンの中心顧客は50代以上で、グループとして40歳前後以下のMZ世代の取り込みも課題だった。

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