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イオン副社長「PBの価値」が消費者に浸透してきた 「スモールマス」に向けた商品開発体制を強化

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「振り切った商品で買い物をもっと楽しくする」。土谷美津子イオン副社長兼イオントップバリュ社長が進めるPBの変革とは。

イオン副社長でイオントップバリュ社長を務める土谷美津子氏。今年に入り新しい商品を矢継ぎ早に投入している(撮影:梅谷秀司)

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イオンのプライベートブランド(PB)、「トップバリュ」を強化するため、2022年3月にイオントップバリュ株式会社(TV)社長に就任した土谷美津子氏。トップバリュをどのように変えようとしているのか。土谷氏を直撃した。

ーー土谷さんがTV社の社長に就任した昨年度、「トップバリュ」の売り上げは前期比7.6%伸びました。この背景をどう分析されていますか。

就任してまず最初に行ったのが「価格凍結宣言」だ。トップバリュは価格訴求型の「ベストプライス」、価値訴求型の通称「メインストリーム」が柱だが、いろいろなものの値段が上がる中、割安なベストプライスの販売が急激に伸び始めた。

ただ昨年後半から、徐々に売れ筋に変化が見られた。価値訴求型のメインストリームが伸びてきたのだ。実はこうした変化が来るだろうということは、就任当時から見据えていた。そのため価格凍結を行う裏で、消費者に「新しい価値」を提供する商品を準備していた。たとえば今年3月発売した「もぐもぐ味わうスープ」は、その多くが1杯400円以上と決して安くはないが、驚くほど売れている。

ーー就任当時から見据えていた?

コロナ禍を通して社会環境が激変し、インフレまでやってきた。価格に対する目線は厳しくなっているが、価格対応一辺倒では売り場を面白くすることはできない。買い物が楽しくなければ、お客様はお金を出さなくなってしまうだろう。

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