グーグル「AIコード公開」が投げかける重大論点 少数企業の独占とオープンソース、安全性は?
メタが昨年、チャットボットの構築に必要な生のコンピュータープログラムを公開すると、不明点が多く、危険ですらあるかもしれないテクノロジーをメタは世界に放っている、という声がライバル企業から上がった。
今回、グーグルがメタと同様の動きを見せたことは、AI技術の共有に批判的な勢力が業界の中で不利になりつつあることを示すものといえる。グーグルはこの種の技術を何カ月にもわたって秘匿してきたが、自社のオンラインチャットボットを動かしているコンピュータープログラムを2月21日に公開した。
グーグルはメタと同様に、大規模言語モデル(LLM)と呼ばれる技術を自由に共有することの利点は潜在的なリスクを上回ると述べている。
グーグルが狙う業界標準
グーグルのブログには、外部企業や独立系のソフトウェア開発者がグーグルのチャットボットに似たオンラインチャットボットを構築するのを助ける2つのAI言語モデルを公開する、と記されている。「Gemma(ジェマ)2B」「Gemma 7B」と名付けられたこれらのモデルは、グーグル最強のAI技術というわけではないが、グーグルによると、業界の主要なシステムの多くと肩を並べるものだという。
「第三者の開発者コミュニティーの参画を改めて促し、(グーグルの技術に基づくモデルが最新AIの構築手法に関する業界標準となることを)確実にしたいと考えている」。グーグル・ディープマインドの製品管理ディレクター、トリス・ウォーケンティンはインタビューでそう語った。