グーグル「AIコード公開」が投げかける重大論点 少数企業の独占とオープンソース、安全性は?

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

グーグルは、同社の旗艦AIモデル「Gemini(ジェミニ)」については無料で公開する予定は今のところないと述べている。ジェミニは性能が高く、危害を及ぼす可能性も高いためだ。

グーグルは2月から、ジェミニの最も強力なバージョンの利用を有料とした。ジェミニをオンラインサービスとして提供することで、技術をより厳格に管理できる。

ブラックボックス化へのアンチテーゼ

デマやヘイトスピーチなどの有害コンテンツの拡散にAI技術が悪用される懸念から、オンラインチャットボット「チャットGPT」を生み出したオープンAIをはじめとする一部企業は、自社の製品を支えている技術やソフトウェアについて秘密主義を強めるようになっている。

これに対し、メタやフランスの新興企業ミストラルAIなどは、プログラムの無料共有(「オープンソース」と呼ばれる)のほうが安全性は高いと主張している。外部の人間が技術の問題点を特定して解決策を提案できるようにするものだからだ。

メタのチーフAIサイエンティスト、ヤン・ルカンは、グーグルやマイクロソフト、メタといった企業の管理下にある限り、消費者や政府はAIを受け入れないだろう、と述べている。

「すべてのAIシステムが強力なアメリカ企業2〜3社の管理下に置かれる状況になってもよいのか?」 

ルカンは昨年、ニューヨーク・タイムズの取材に対し、そう語っていた。

次ページグーグルを惑わせたオープンAIとの競争
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事