そこで西友が導入したのが「アジャイル開発」だ。システム開発手法の一つで、必要最低限の機能を備えた未完成品の状態で運用を始め、営業の中で細かく仮説、検証を繰り返し、不具合の修正や追加機能の拡充を行う。
EC業界では浸透している手法だが、日系のスーパーでは珍しい。「店舗の運営に影響が出ることはあってはならない」という意識が根強く残るからだ。スーパーの営業部や商品部にとって、冒頭のような品切れが起きることはタブー。システムの更改にあたっては、「通常の営業に支障をきたさないこと」が何よりも優先される。
マネジメント層が積極関与
しかし、今回は時間がない。西友は期限を守るためにリスクをとる必要があった。そこで今回のプロジェクトでは大久保恒夫社長以下、マネジメント層が積極的に関与。「とにかくシステム移行を最優先」という全社的な方針を打ち出した。移行作業がピークを迎える昨年秋以降は、システムに負荷がかかる棚割の変更や広告宣伝を徹底的に簡素化させ、DXのメンバーが作業に集中しやすい環境を整えた。
冒頭のような一部欠品は生じたものの、当初懸念していた営業停止など大きな問題は起こらなかった。そうして昨年末、パートナーであるベンダー各社に「絶対無理」とまで言われたプロジェクト、3年間でのシステム「脱ウォルマート」化を完了した。
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