算数の点数が伸び悩む子どもによくある落とし穴 クイズに挑戦、ヒラメキが算数の思考力を強化

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こういった考え方をしている場合、間違った問題をもう一度やり直したときにも、例えば「だったら、割る数と割られる数を逆にすればいいのだろうか」というように、なぜそうなのかを考えずに、式のなかの数字の場所をただ機械的に入れ替えて試したりします。

問題なのは、小学校の特に低学年のうちは、この「数字を拾って入れ替え戦法」が案外通用してしまうことなのです。各単元の終わりにやるまとめテストは複雑な応用問題が出題されるわけではないので、数字を拾うだけで式が作れてしまいます。

すると、

数字を拾ってとりあえず割り算の式を立ててみた

テストが返ってきたら×だった

よくわからないけど、次は割る数と割られる数を逆にして答えを書いてみた

今度は〇になったのでテスト直しはOK

どうしてそうなるのか理解しないまま授業が進む

といった流れが起こりがちになります。親も子どもが高学年になって初めて「あれ?うちの子、もしかして理解できていないのかも?」と気が付いたりします。

数字に飛びつくクセはどうやったら直せる?

今回のビルの階段問題のように、出てくる数字を拾うだけでは解けない問題は「思考力」が問われています。文章問題で問われている内容をきちんと落とし込むためには、同じ状況を頭の中にイメージできる力が必要です。

つまり、自分をビルの1階に置いて、階段を使って2階、3階と登ってみることを想像する。紙上の数字を拾うのではなく、ちゃんと思考するというのはそういうことで、自分が2階、3階と移動してみることで「2フロア分移動したんだ」と気付けるのです。

もし、お子さんがまさに数字に飛びつくタイプであれば、「日常の体験と結び付けて想像する」ことをアドバイスするといいでしょう。

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