コンサルが「次に目指す」仕事"PEファンド"の正体 傾いた企業を"診断し治療する"経営再建の医者
◎ロールアップ:アロスワン
ロールアップとは、PEファンドが既存の投資先企業を通じて同業の中小企業を水平的に買収して収益力の強化を図る手法です。
その事例として注目されているのが調剤薬局です。調剤薬局には小規模店舗が多く、創業オーナーが高齢化している現状に加え、診療報酬制度の改定に伴う対応が複雑化しているため、少人数スタッフでは事業継続や人材採用などが難しい問題がありました。
ここに事業承継ニーズを見いだしたのが、アント・キャピタル・パートナーズです。大手調剤薬局の阪神調剤ホールディング(現I&H)と合弁でアロスワンという会社を作り、全国の小さな調剤薬局を買収しながら傘下の店舗数を増やしました。
これによって各事業体の間で人材が融通され、薬剤師の研修も可能となったのです。
◎企業再生:日本航空
企業再生は、経営が危機的状況にある企業の抜本的な立て直しを行うものです。
最も有名なのは日本航空の再生で、企業再生支援機構という政府系の投資会社が手がけ、2010年に京セラ創業者の故稲盛和夫氏を会長に招聘して立て直した事例です。
こうした大企業の改革は自社で行うことが難しいものです。そのため、一時期ファンドが入ることで、外部の知見を導入した改革を実施するのです。
リスクあるがやりがいは計り知れない
以上、ハイパフォーマーが「次に目指す」仕事、PEファンドの概要をご説明しました。
PEファンドで働く人々はコンサルティングファーム、投資銀行で働くプロフェッショナルと同様に高い専門性を持ち、いわゆるサラリーマンと呼ばれる大企業で働いているゼネラリストとは異なる人材といえるでしょう。
さらに、PEファンドそのものはプロジェクトビジネス的な側面もあり、立ち上げたファンドで一定の収益が立たなければ、それ以降継続することが不可能になり、ファンドも解散という事態に陥ります。
こういったリスクを取りながらも、見返りとして得られる仕事・人生上のやりがいは計り知れません。
仕事に全力投球し、人生の密度を濃くしたいビジネスパーソンにとって、PEファンドのキャリアは最適の仕事となることでしょう。
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