――料金をわかりやすく「見える化」して、家計の負担を減らせるようにできないか。また、スマホでもっと有益なサービスを提供できないのか。
石川雄三専務:スマホ、従来型携帯、固定回線のサービスがあり、なかなか難しい。ホームページには料金の試算ページがあり、ショップでも的確なコンサルティングをやっている。ただ、シンプルな開示をしていかなければならない。サービスについては、ユーザーの生活により資するものを検討していきたい。
――今期の設備投資予定額が減少している。事業のコアであるネットワークへの投資を怠ると、支障が出かねない。他社の追随を許さないほど高品質のネットワークを構築するべきでは?
内田義昭常務:LTEの通信エリアは800メガヘルツ帯で人口カバー率99%を達成するなど、大幅に拡大した。ただ、データ通信量は増加しているので、人が集中するところに密に基地局を設置していかなければならない。ネットワーク部分についても適切な投資をしていく。
田中社長:設備投資額が下がっているのは、ある程度LTEの通信エリアが構築できたことが(背景に)ある。今は容量を増やすことを重視しており、そちらは基地局設置より費用がかかるわけではない。
M&Aでは減損リスクに十分配慮
――今期からIFRS(国際会計基準)を採用した。決算の連続性を持たせるためにどうするのか。
両角副社長:8月に開示する第1四半期(2015年4~6月)決算では、IFRSを適用した場合の昨年の数字も公表して比較できるようにする。財務報告の連続性を保つことで、わかりやすい開示にしていく。
――アナリスト向け説明会で、田中社長が「IFRS採用によってのれん償却がなくなる」と説明したが、リスクはある。モラルハザードではないか。
田中社長:決算説明会でのれんの償却がなくなるとしたが、毎年(減損の可能性について)検討しなければならない。M&Aに際しては、そうした可能性に十分に配慮して進めたい。
――発行済み株式の6.9%を占める自己株式(約6198万株)をどう活用するのか。
両角副社長:今回の議案が承認されれば、KDDI財団に対する有利発行で112.5万株を処分することになる。また、議案にある業績連動型株式報酬制度の導入で最大60万株が交付される可能性がある。今後は管理職に対してもインセンティブの導入を検討している。M&Aに活用する可能性もある。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら