「寿命が短くなる食事」とそうではない食事の差 「命の回数券」減少を抑制する遺伝子の働き
これまで、一般的には人の寿命を人為的に延ばすなど不可能と思われてきました。しかし、近年の科学はそれを可能にするヒントをつかみました。それがサーチュインです。そのヒントを基にした研究者の努力により、人の寿命延長はより現実味を帯びてきたのです。しかも、もたらされた長寿は寝たきりや認知症などを伴わない、いわゆる健康長寿なのです。
このような、いわば「正しい寿命の延ばし方」を査読付き論文の研究をベースに解説した今井伸二郎さんの著書『最新科学で発見された 正しい寿命の延ばし方』より一部抜粋・再構成してお届けします。
老化で最も変化が表れやすいのは筋肉の衰え
骨は体を構成する組織のうち、その量が多く割合の高い組織ですが、筋肉もまた割合の大きな組織です。体重に占める筋肉の量を筋肉率とよびますが、年齢別の平均的な数値を図表に示しました。その数値を見てみると、20代男性の44%をピークに年齢とともに低下し、60代では29%になってしまっています。
老化で最も顕著に表れる状態の変化は、筋肉の衰えです。代表的なところでは、老眼による視力の低下が当てはまります。言葉の通り、老眼は老化の一つです。老眼は目のピント調節に関わる筋肉の老化が原因なのです。
ほかにも、自分では気がつかなくても片足立ちができなくなったり、子どもと遊んでいるときに思ったような働きができなくなったり、筋肉の衰えは徐々に進行していきます。
私は執筆を行っている2023年現在65歳ですが、寝床から起き上がるのに苦労を感じています。老化の表れが最も顕著に実感できるのは、やはり筋肉の衰えです。
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