ヒトの「不死」細胞はすでに存在している驚愕事実 ただし、皆が思い描く不老不死の実現は難しい

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「永遠の命」を手にいれられるのはフィクションの世界だけのようです(写真:hirost / PIXTA)
「永遠の命を実現する技術など、この世にはない」というのが一般的な考え方でしょう。しかし、永遠の命をどのように定義するかによっては、すでに実現されている技術もあるのだとか。
それは一体どのような技術なのか。永遠の命、不老不死は実現可能なのか?分子生物学者の黒田裕樹さんが解説します。
※本稿は『希望の分子生物学: 私たちの「生命観」を書き換える』から一部抜粋・再構成したものです。

不老不死にあこがれてきた人類

不老不死の願いは、時代や文化、性別や年齢を問わず、多くの人々が抱くものです。この願いを叶えるヒントがバイオ技術には隠されているかもしれません。

最近日本で人気を博したアニメ『鬼滅の刃』では、鬼になることで不老不死になれるという設定になっていました。ただし、鬼になると、直射日光を避ける必要がある、一般的な食事を楽しめないなどの制約がつきます。とはいえ、満身創痍でまさに死の淵にある時であれば、それらの条件を受け入れる人も一定数いることでしょう。

また、『ハリー・ポッター』シリーズでは、主要な悪役ヴォルデモートが永遠の命を求め、「ホーキュクス」という古代の闇の魔法を使う決意をします。それは、すなわちハリー・ポッターに関する大きな秘密にもなります。つまり、不老不死への追求とその困難さが、シリーズの重要なテーマとして描かれているわけです。

バイオを志す大学の新入生と話をすることも多々ありますが、その中には「いつかバイオの力で不老不死を実現したい」と希望する学生もよく見かけます。はたして、ヴォルデモートが興味の矛先をホーキュクスから変えてくれそうなものがバイオによって実現するでしょうか。

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