血糖値高めを放置し「足を切断した」男性の言い訳 糖尿病を甘く見てはいけない、これだけの理由

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自律神経に障害が起これば、立ちくらみや発汗異常、下痢や便秘、消化吸収の異常、排尿異常などを起こします。

そしてAさんを恐れさせた失明、つまり糖尿病網膜症は、日本人の失明原因の上位になっている疾患です。目の網膜の毛細血管が詰まるのが原因ですが、こちらも自覚症状がないうちに進行し、症状が表れたときには、すでに失明の危機に瀕した状態であることが多いのです。

Aさんは、血糖値が高い状態が長年続いているにもかかわらず、生活習慣を変えることなく過ごし続けたことで糖尿病が進行し、こうした合併症を次々と引き起こしていました。

私は足の切断手術の後、Aさんが退院して自宅で生活を送り始めたときから、在宅医として関わり始めました。糖尿病がこれ以上悪化しないよう、看護師と一緒に生活習慣の改善や生活維持のサポートをしたり、薬を調整したり。そんなことを続けながら、数年が経ちます。

そんなAさんからは、「あのとき、誰かが教えてくれたら、こうならなかったのに……」という後悔の言葉が、たびたびこぼれます。

しかし、健診のたびに「血糖値が高いので、日頃の生活習慣に気をつけましょう」と言われてきたはずです。

同世代の友人や元同僚のなかには、元気に老後の生活を楽しんでいる人がたくさんいるようです。50代半ばで脳梗塞となってまひが残り、足まで切断したAさん。思い描いていた人生の過ごし方ができなくなったことへの後悔が、年を重ねるにつれ、骨身に沁みているように見えました。

糖尿病は「怖い病気」

糖尿病という病気は、食事や運動などの生活習慣が深く関与している生活習慣病の代表格です。血糖値が高い状態を放置していると動脈硬化が進行し、脳梗塞や心筋梗塞といった病気のリスクが2〜3倍高まります。

糖尿病の患者数は推計を始めた1997年の690万人から右肩上がりで、厚生労働省の「令和元年 国民健康・栄養調査」によれば、疾患が疑われる人を含めると、日本人の実に5~6人に1人が罹患(りかん)している国民病です。

糖尿病の合併症には先に挙げた網膜症や神経障害のほかに、糖尿病性腎症があります。動脈硬化によって腎臓の機能が失われ、悪化すると人工透析が必要になります。透析は週3回、1回につき4時間以上もかかる大変な治療です。

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