新日本・棚橋社長が語る「プロレスの未来予想図」 「猪木さんの仕掛けに近いこともやりたい」

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――経営者として棚橋さんが考える新日本の未来予想図についてお聞かせください。

ファンの皆さんに楽しんでもらえる新日本にしたいですね。カスタマーファーストでありたいですけど、ファンのニーズに応えすぎてもダメだし、新日本の独りよがりになってもダメなので、そのバランスを取りながら団体を運営したいですね。現場の空気感は、リング上でしか感じられないところがあるので。レスラーでありながら社長という立場は今でしかできないので、僕は今の自分にすごく期待してます。

――プレイングマネジャーとして活動する棚橋さんを後方支援するために取締役社長室長として、松本仁司さん(テレビ朝日ビジネスプロデュース局担当局長)が新たに就任しました。棚橋さんにとって松本さんの存在は大きいですか?

本当に大きいですよ。僕が巡業に出てるときは本当に松本さんに任せっきりになってしまうので。ちょっと足を向けて寝れないんです(笑)。

――松本さんはかつて20代の棚橋さんが「太陽の天才児」と形容されていた時代にテレビ朝日『ワールドプロレスリング』プロデューサーをされていて、2000年代にNWFヘビー級王座コミッショナーを務めたことがありましたよね。

そうなんですよ。だから僕の周りは今、最強の布陣なんですよ。これは自覚していますが、僕は人たらしなところがあるので、これからも色々な人たちをどんどん巻き込んでいってプロレス界を盛り上げていきたいです。

プロレス人気をもう一度爆発させるために

――最後にファンの皆さんにメッセージをお願いします。

わかりました。僕は……仕掛けますよ。ファンの方の想像している斜め上を行きますから。猪木さんの仕掛けに近いこともやりたいという気持ちは強いですね。僕にとって猪木イズムは「見る前に飛んでしまえ」「成功するかどうかわからないけど、やってしまえ」だと思っていて、チャレンジングなことをやっていきます。

ただ経営を丸投げはしたくないので、坂口さんのような堅実さも大切にします。今まで誰も成し遂げていないレスラーとして活躍しながら、会社経営もうまく乗りこなす社長レスラーになるんじゃないかなという予感はしています。

――「レスラー兼社長」という大変な職務に就かれているはずなのに今回のインタビューでは終始、棚橋さんはポジティブですよね。その原動力はどこからきているのですか?

それは僕が「100年に一人の逸材」だからです。事務所で顔ぶれを見ても、頼りになるスタッフさん、大ベテランの社員さんがいて、この現役生活の中で培ってきた信頼感というのもあるし、新日本に力を貸してくれる新しい仲間も増えてきています。僕はもうおんぶに抱っこなんですけど、最後にみんなのケツを拭ける存在でいたいです。

――かつて長州力さんが団体や世代の壁を突き破ったり、禁断の団体対抗戦(新日本 VS UWFインターナショナル)を電撃決定したときに「フライング」と形容されましたが、棚橋さんは「フライング」されますか?

いや、フライングはしませんから。僕は(新日本 VS UWFインターナショナルのように)「よし、(東京)ドームを押さえろ!」みたいなことは言わないですよ(笑)。コロナ禍が明けたので、プロレス人気をもう一度爆発させるために、みんなでしっかりやっていきますよ!皆さん、期待してください。

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ジャスト日本 ライター

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じゃすとにほん / Just Nihon

ライター、プロレス考察家。1980年福岡県出身、和歌山県在住。プロレスからビジネスジャンルまで、幅広く執筆活動を展開。現在アメブロで「ジャスト日本のプロレス考察日誌」を更新中。 著書に「俺達が愛するプロレスラー劇場 Vol.1」(ごきげんビジネス出版)「インディペンデント・ブルース」「プロレス喧嘩マッチ伝説」(いずれも彩図社)ほか多数。

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