判明!「猫が外で食べている」とんでもないもの 実は生態系を脅かすほどの存在になっていた

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「イエネコ(Felis catus=イエネコの学名)は多くの人々にとって最愛のパートナーであるが、侵略的な捕食者でもあり、数多くの鳥類、哺乳類、爬虫類の絶滅に関係している」と、ネイチャー誌の編集者アンドリュー・ミッチンソンは関連記事に書いている。

哺乳類の捕食者なしに種が進化してきたことが多い遠隔地の島々では、猫による被害は特に深刻だが、アメリカでさえ、連邦政府とスミソニアン博物館の調査によれば、猫は年間24億羽の鳥を殺している。1970年以来、北米の鳥類の個体数は29%も減少している。

「野良猫」をどうしたらいいかという問題

最も深刻な論争は、野生動物の捕食の大部分を占める膨大な数の野良猫をどうするかということだ。里親が見つからない猫もいる。

動物愛護団体は、捕獲・不妊去勢・返還(trap-neuter-return)と呼ばれる方法を提唱している。しかし調査によると、このような取り組みは、継続的に高い強度で実施されない限り、個体数を減少させる効果は限定的か、まったくない傾向にある。善意の人々が野良猫に餌を与え、数を増やすことも多い。

そして、ペットが屋外を歩き回る喜びを拒否する猫の飼い主もいる。

レプチクは、今回の論文では意図的に政策的介入を提言することを避けたという。しかし、過去の論文では、放し飼いにされている猫を侵略的種に指定し、野生動物当局に駆除の権限を与える「科学的主導による管理」を提唱している。また、ペットの飼育に関する法律を強化し、屋外での餌やりを禁止することも主張している。

スペイン国立研究評議会の生物学者で、30年以上野良猫を研究しているが、今回の論文には関与していないマヌエル・ノガレスは、この研究を賞賛した。

「この数字は科学界にとってまったく新しいものだ」と同氏は語る。「この論文はかなり有用である」。

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