「生産能力の増強を進めた結果、設備稼働率を計算する際の分母が大きくなった。そのため、生産量および出荷量の増加にもかかわらず稼働率が低下してしまった」。SMICの共同CEO(最高経営責任者)を務める趙海軍氏は、業績説明会でそう釈明した。
さらに趙氏は、2024年の事業環境も厳しい状況が続くとの見解を示し、次のようにコメントした。
「2022年以降、(ロシアのウクライナ侵攻をきっかけに)グローバルなサプライチェーンの不確実性が高まり、地政学的な観点に基づいた(自国内での)半導体生産設備の建設投資がますます膨らんでいる。その一方、景気循環や消費低迷などの影響で需要の回復が遅れており、ファウンドリー業界が設備稼働率を短期間で回復させるのは困難だ」
1〜3月期はさらなる減益を予想
2024年1~3月期の業績について、SMICは売上高に関しては2023年10~12月期比で横ばい、または2%程度の増収を見込んでいる。一方、利益率はさらに低下し、1~3月期の粗利率は10~12月期より5ポイント前後低い9〜11%になるとの予想を示した。
にもかかわらず、設備投資に関しては2024年も前年とほぼ同規模を維持する方針だ。SMICによれば、過去数年間に公表した12インチウェハー対応の生産ラインの建設計画に変更はないという。
(財新記者:翟少輝)
※原文の配信は2月7日
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