中国の半導体受託製造(ファウンドリー)最大手、中芯国際集成電路製造(SMIC)は8月10日、2023年4~6月期の決算を発表した。
同四半期の売上高は15億6000万ドル(約2249億円)と、直前の1~3月期より6.7%増加したものの、前年同期比では18.0%の減収だった。純利益は4億6400万ドル(約669億円)と、1~3月期より73.8%増加したが、前年同期比では26.2%の減益を記録した。
SMICの4~6月期のウェハー出荷量は、1~3月期より12%増加。設備稼働率は78.3%と、1~3月期より10.2ポイント改善した。とはいえ、2022年4~6月期の設備稼働率が97.1%だったことを考えると、まだまだ回復途上にあると言える。
スマホ向けの受注は底打ち
販売価格の引き下げや製品分野別の販売構成の変化を背景に、4~6月期の製品の平均販売単価は1~3月期よりも低下した。さらに(生産設備の)原価償却費の増加などが重なり、4~6月期の粗利率は20.3%と、1~3月期より0.5ポイント縮小した。
「エレクトロニクス製品の需要は、中国市場でもグローバル市場でも予想に届かず、(電子機器メーカーが抱える)半導体の在庫水準は依然として高い。とはいえ、中国国内のスマートフォン向け半導体などは在庫整理が進み始め、受注が徐々に回復している」。SMICの共同CEO(最高経営責任者)を務める趙海軍氏は、決算説明会でそう説明した。
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