「沢田研二75歳」変化ではなく進化する男の凄み ツアー千秋楽を改めて見て思うジュリーの魅力

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さて、本稿は上記した5年前の記事の続きとなる。あの記事で最後に触れた「これから開催の日本武道館公演」で、ジュリーは「いつか、さいたまスーパーアリーナを満席にする」と誓い喝采を浴びた。その「いつか」がついに訪れたのだ。

75歳の誕生日である2023年6月25日、ジュリーは晴れて満席の観客に迎えられて因縁の会場に立ち、盛大にライヴを開催した。その模様が今年の1月にBlu-ray『沢田研二 LIVE2022-2023「まだまだ一生懸命」ツアー・ファイナル バースデー・ライブ』(ANIMA ANIM-240112)として発売されている。

Blu-ray『沢田研二 LIVE2022-2023「まだまだ一生懸命」ツアー・ファイナル バースデー・ライブ』(沢田研二オフィシャルサイトより)

これを祝わずしてなんとしよう。WOWOWで生中継されたこともあってか、そしてBlu-rayプレイヤーを持っているファンが少ないという説もあり(笑)、近年の彼の映像ソフトよりも売り上げの出足は鈍いという。しかしこれは素晴らしい一夜・一枚だ。彼の現在が、そして変わらぬ姿勢・性格がわかる。

おまけはなし、コンサート本編一本勝負

「性格」は思い切った商品内容にあらわれている。なんとコンサート本編がそのまま収録されている「だけ」なのだ。

近年のこの種の映像ソフトはおまけが勝負。メイキング映像やコメンタリーなどがついたりするものだけれど、本作には開演直前から終演までの模様がそのまま入っているだけ。しかもチャプター(切れ目)は第2部とアンコールの開始部にしか入っておらず、曲の頭出しができない。

本編のみで勝負、そして全部そのまま観なさい!というわけだ(早送りや巻き戻しはできる)。「それならメニュー画面も必要ないね」とばかりに、ディスクを挿入するとメニュー画面もなく自動的に再生、開演となる。その飾りのなさ・ぶっきらぼうさにはむしろ拍手をしたくなる。

第1部で早くも事前にアナウンスされていたスペシャル・ゲストの3人=元ザ・タイガースの瞳みのる(ピー、ドラム)、森本太郎(タロー、ギター)、岸部一徳(当時は修三、サリー、ベース)が登場、タイガースのヒットパレードとなる。現在のレギュラーバンド(後述する)に支えられて4人がヒット曲を次々とくりだしていく。途中には長い長い昔話も挟まれるが、そのあまりの居酒屋トークぶりも楽しい。

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