「沢田研二75歳」変化ではなく進化する男の凄み ツアー千秋楽を改めて見て思うジュリーの魅力

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コーラスはすわ親治と山崎イサオ。ともにジュリー主演の音楽劇からの流れだが、ともにナベプロ在籍時代からの仲間だ。すわはザ・ドリフターズの元付き人として知られる。「8時だョ!全員集合」のコントに真っ白な扮装で登場、笑いながら柱に激突してそのまま去っていくことで、筆者も含む1970年代の小学生に「シュールな笑い」というものを教えてくれた人物だ。

山崎の名はジュリー1977年のLP『沢田研二リサイタル―NHKホール・ライヴ―』で、ロック・オペラ部の語り担当として確認できる。この2人が現バンドではジュリーとは最も古くからの付き合いということになる。

今回のライブの第2部は彼らがもり立ててのヒット・パレードといえる選曲だった。そしてジュリーとこのバンドは、今年の春から夏も「沢田研二 LIVE 2024 甲辰 静かなる岩」のツアー・タイトルのもと、引き続き旅に出る。

「昔からの」レパートリーとして披露

ジュリーのライブにおける歌と演奏は、昔からスタジオ・バージョンの編曲をほぼ踏襲している。ヒット曲では新曲当時の振り付けをジュリーも観客もして盛り上がる。しかしそこに懐かしさはない。「昔の」ではなく「昔からの」レパートリーとして披露しているからだ。曲のキーもほとんどの曲はオリジナルのまま。さすがに高音がつらい場面はあるけれど、75歳でこの熱さで舞台に立つのは驚嘆に値する。

アンコールは音楽劇でのレパートリー「河内音頭」を無伴奏で歌ってスタート。とても2時間以上歌ったあとの後期高齢者とは思えない。

続いてピー・タロー・サリーも加わり、彼らがザ・タイガースを名乗る前から演奏していた洋楽カバー3曲から、ザ・ローリング・ストーンズとザ・デイヴ・クラーク・ファイヴ(オリジナルはザ・コントアーズ)の曲が演奏され、そして最後の最後はタイガースの「ラヴ・ラヴ・ラヴ」で締めくくられた。

本当は、昨年末に亡くなった作詞家の三浦徳子(よしこ)の紹介もしたかったが紙数が尽きた。エキゾチックス時代のジュリーが新たな高みに行けたのは彼女の貢献も大きい。感謝しかない。いずれ回を改めて書きたい。

人見 欣幸 音楽紹介業

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ひとみ よしゆき / Yoshiyuki Hitomi

1967年神奈川生まれ。文章、ラジオ、ライヴハウスでのトークなどを通して音楽を紹介している。ブログはこちら

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