東京電力の格付けは震災後3カ月で9段階引き下げ、継続して格下げ方向で見直し《ムーディーズの業界分析》
・福島第一原子力発電所の原子炉を安全冷温停止状態にする作業に遅れが発生し、費用がかさむ可能性がある。放射性物質放出と汚染を防止する作業には困難が多く、放射性物質放出の測定数値は上昇している。
・ムーディーズのメインシナリオは、東京電力の債権者が損失負担するなどの譲歩を行う可能性は、高くはないとの見方を反映している。しかし、何らかの譲歩が必要となる可能性はゼロではなく、その可能性が高まれば、東京電力の格付けはさらに数ノッチ格下げとなるであろう。
・格付けは継続して格下げ方向で見直し中であり、これは支援策が国会で採択される見通しが不確かであり、東京電力の負担すべき損害賠償の総額を正確に予想するのが困難であるためである。
・また、ムーディーズは東京電力に対する政府の支援姿勢は、日本の他の電力会社8社とガス会社2社の格付けに影響を与える可能性が高いと考えている。
図表1:東京電力の格付け推移
[+]画像拡大
図表2:原子力発電を持つ代表的電力会社
[+]画像拡大
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら