揉めてしまう親子でよくあるのが、「片付けられない親を持ってしまった」と子どもが被害者意識を持っているパターンだ。説得をする側の考えや感性は、ここまできたらどうでもいいのだ。いかに時間をかけて当事者に寄り添ってあげるか、その点に尽きる。
モノ屋敷の遺品整理を一人でやるのは無理
母が亡くなり、いざ遺品整理を一人で始めると、男性はすぐにその大変さに気が付いた。自分が住んでいる関東から関西の実家まで通い、とっておく遺品と捨てるモノを仕分けするも、母との思い出が詰まったモノを見ると手が止まってしまった。
「集合住宅なのでゴミは24時間捨てられるんですが、量が半端じゃないので、1回の片付けで20袋にもなる。1年ちょっとは頑張って片付けていたんですが、やっぱりしんどくなってきました。それに賃貸なのでお金の問題もあります。ぼちぼち区切りをつけようと思って業者にお願いすることにしました」
現場で作業をしていた文直氏も、「一人ですべて片付けるのは無理だったと思います」と言う。
「その家に住みながら散らかった部屋だけをちょっとずつ片付けるのなら話は別ですが、この依頼者さんの場合は家の中すべてを片付けなくてはならないうえ、わざわざ遠方から通っていました。おそらく、今回の作業はゴミ袋で言ったら1200袋くらいは捨てることになると思うんですよ」
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