就職活動をせずに原稿を15~20社ほどの出版社に片っ端から送った彼は、唯一株式会社サイゾーの編集部から連絡が来たことがきっかけで、人の縁がつながっていき、フリーの物書きという進路を選びました。
卒業して間もなく訪れた大阪府西成区での生活が書かれた『ルポ西成 七十八日間ドヤ街生活』は7万部の大ヒット。現在も冒頭で述べた連載のほか、『ルポ路上生活』や『ルポ歌舞伎町』など、現場での経験を臨場感たっぷりに記す人気ルポライターとして活躍している國友さん。この取材で改めて、彼は浪人の1年のおかげで今の自分の生活があると語ってくれました。
浪人で自分の興味を追求できるように
「お世話になった方々のおかげでいま、自分は仕事を続けることができていると実感していますが、自分の生き方の土台を作った、浪人生活がとても大きいと思っています。
世間から見たら、浪人の期間は大きなロスに思えますが、実際に自分が1年やってみたところでそんなにマイナスにはならないと気づけたのがよかったです。
一度復学してからまた2年学校を休んだり、企業の正社員にならない勇気が出たりしたのはそのおかげですね。もし浪人していなかったら、周囲と自分を比較しながら働いていたんだろうなと思います。だから、自分は浪人して良かったとめちゃくちゃ思います」
一見危険だと思われる場所に勇気と知的好奇心を持って飛び込んでいく彼の行動力は、競争社会のレールから外れたことで、自分の興味を追求できた浪人生活がもたらしたのだと思いました。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら