テイラー・スウィフトに「陰謀論」が付きまとうワケ トランプ支持者からのレッテルが大統領選を揺るがす
スーパーボウルは期待以上の熱戦だった。延長線にもつれ込んだ末にチーフスがサンフランシスコ・49ersを破って連覇を決めるという、なんともドラマチックな展開になったのだ。東京からプライベートジェットで飛んだスウィフトさんも、その歴史に残りそうな一戦を無事にスタジアムで観戦することができた。
と、ここまでは彼女とその恋人の眩しいばかりの活躍に紙幅を割いた。ところで、タイム誌が「今年の顔」に選んだ理由も、「分断された世界で人々に希望の光をもたらしている」であった。
だが、アメリカではむしろ薄暗い陰謀論がスウィフトさんにまとわりつくように飛び交っている。発信元は再び大統領の座を得んとするドナルド・トランプ氏の支持者たちだ。
MAGAで渦巻く陰謀論
日本のメディアはそうした人たちを「保守派」とカテゴライズしがちだが、そう一括りにするのは違和感が強い。
アメリカメディアは、トランプ氏が大好きなフレーズから“Make America Great Again”の頭文字をとって陣営と支持者たちをMAGAと呼ぶことが一般的だ。さまざまな背景を持つMAGAの人々を一括りにするうえで大きな共通項があるとすれば、それは、これだ。
「陰謀論が好きな人たち」
4年前の大統領選で「票を盗まれた」と根拠のない主張をトランプ氏が繰り返した果てに、彼に煽られた支持者たちが連邦議会襲撃事件を引き起こした。これに象徴されるように、総じてMAGAは、トランプ氏が次々に繰り出す陰謀論が好きだ。聞いていて心地よいのであろう。
2024年11月の本選が近づくにつれて、陣営からの陰謀論が最もヒートアップしているのが、スウィフトさん関連なのだ。その代表例が、「テイラー・スウィフトはアメリカ国防総省の秘密エージェントだ」というものだ。
日本風にいえば「中二病」の称号がふさわしいこの主張は、2024年1月9日にニュース専門チャンネル・FOXニュースにおいて、キャスターのジェシー・ワターズ氏が大まじめに論じたことから注目が集まった。
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