「GDP4位転落」日本に数学嫌い克服が必要な理由 「何の役に立つのかわからない」というイメージ
筆者にも身近な例があり、かつて世間を震撼させたカルトから離れた方が、いくつもの数学の質問をもって訪ねてきてくれたこと。元ホストが新たな人生を送る決意をもって、東京理科大学での筆者のゼミ生になってくれたこと。など、いろいろ思い出す。それだけに、数学嫌いの青少年を数学好きにさせるためには、「安心感」も含めて多種多様な「引き出し」を用意してあげるとよいだろう。
「数学嫌い」を「数学好き」に変える国に
「ゆとり教育」に向かう頃の日本と比べて現在は、2019年3月26日に経済産業省が発表したレポート「数理資本主義の時代~数学パワーが世界を変える」があるように、数学に関してはフォローの風が吹いている。それだけに、「数学嫌い」を「数学好き」に変える国としての積極的な行動は「待ったなし」ではないだろうか。数学嫌いが数学好きになるきっかけはいろいろあるので、国としての多様な取り組みが求められるはずだ。もちろん、数学に関しては学力差が大きいことも考慮しなくてはならない。
1つとして、今から20年ほど前にあった文部科学省委嘱事業の「その道の達人」の復活を望みたい。想えば対象が高校生の「スーパーサイエンスハイスクール」、対象が中学生以上の「サイエンスパートナーシップ」と並んで「その道の達人」での出前授業も数多く行ったが、これは分野を問うこともなく、対象は小学生以上である。
すぐに「成果」を問うような短絡的な意見によって、この事業は長続きすることもなく終了してしまったが、数学を好きになる魂を小学生から抱いてもらうためにも、このような事業を復活させて、いろいろな視点から子ども達に刺激を与えてもらいたい。「三つ子の魂百まで」である。
もちろん筆者個人としては、今まで通り依頼されればボランティア的に出前授業に出掛ける気持ちをもっている。チョーク1本をもって、日本全国各地への旅に出る夢をもつ。
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