審査員から見た「SAグルメコンテスト」の裏側 西イチグルメ九州地区大会で見た凄腕メニュー

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なお、本選大会の審査員も5人だが、西日本高速SHDの2人を除く3人は全員料理のプロで、筆者のような「味の素人」はいない。ちなみに、九州以外の本選出場メニューは以下の6つのメニューですでに決まっている。

<関西地区>
■どんぶりの味比べ 里山懐石 但馬牛の五種ひしめき丼 ~丹波が奏でるハーモニー愛と想いの五重奏~(舞鶴若狭道・西紀SA上り)
■播州百日どりの焼鳥丼 ~ひつまぶし風~」(山陽道・龍野西SA上り)
<中国地区>
■岡山まるごとギュー丼 ~なぎビーフの大人焼きしゃぶと彩り野菜丼~」(山陽道・吉備SA上り)
■白と黒のごく旨麻婆丼(山陽道・下松SA上り)
<四国地区>
■石鎚山頂丼(松山道・石鎚山SA下り)
<お客様投票ナンバー1>
■里山フレンチ懐石丹(あか)の超他人丼 ~ご当地お肉と卵のマリアージュ~(舞鶴若狭道・西紀SA下り)


見てわかるとおり、ネーミングにも相当凝っていて、一度で覚えられないくらい長いものもある。

貴重な体験を通じて見直すSA/PAグルメの特別感

どこがグランプリになるにせよ、地元の食材探しから始まり、老若男女幅広い客層が利用するSA/PAにふさわしいメニューを考案する、そのチャレンジングな試みに触れたことで、高速道路グルメへの親近感は増した。

また、これまでは利用客として「提供されたものを食べるだけ」だったが、作り手の顔や調理する姿、そして商品開発に懸ける試行錯誤の様子を垣間見ることができたことも、貴重な体験であった。

ちなみにこれらのメニューは、予選で敗退したものも含め、3月31日まで各SA/PAで実際に味わうことができる。

九州道・基山PAで見かけた西イチグルメのポスター(筆者撮影)
九州道・基山PAで見かけた西イチグルメのポスター(筆者撮影)

地区大会の審査の翌日、九州道・基山PA(下り線)に立ち寄ってみたら、西イチグルメの大きなのぼりとともに、このPAのエントリーメニューである「九州みつせ鶏YAKITORI丼」も大きくPRされていて、前日イヤというほど丼を味わったにもかかわらず食指が動いたのは、やはりそこでしか食べられないという「特別感」に自身が弱いからだろう。

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なお、地区大会にエントリーした料理や各地区から本選に選出されたメニューは、専用のホームページ「西イチグルメ決定戦」に掲載されている。また、豪華賞品が当たるという本選での順位予想キャンペーンも2024年3月8日まで行われているので、このサイトを参照してほしい。

筆者は今回、審査員として「裏側」からSA/PAメニューを見たが、やはりSA/PAグルメも高速道路旅の楽しみの1つであると再認識した。

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佐滝 剛弘 城西国際大学教授

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さたき よしひろ / Yoshihiro Sataki

1960年愛知県生まれ。東京大学教養学部教養学科(人文地理)卒業。NHK勤務を経て、NPO産業観光学習館専務理事、京都光華女子大学キャリア形成学部教授、リベラルアーツ・ジャーナリスト。『旅する前の「世界遺産」』(文春新書)、『郵便局を訪ねて1万局』(光文社新書)、『日本のシルクロード――富岡製糸場と絹産業遺産群』(中公新書ラクレ)など。2019年7月に『観光公害』(祥伝社新書)を上梓。

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