審査員から見た「SAグルメコンテスト」の裏側 西イチグルメ九州地区大会で見た凄腕メニュー

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審査員は全部で5人。審査委員長は、地元福岡の調理専門学校で教鞭を執る料理の専門家。もう1人、「料理の達人」としてブログなどを通じて日々自分で考案したレシピを発信する料理ブロガーもいる。残りの2人は、大会を主催する西日本高速SHDの関係者だ。

「料理のプロ」が2人いるので、筆者はサービスエリア好きの1人の利用客の視点で判断すればよいと安心した。

項目は7つ、100点満点で審査する

このコンテストは、まず地区内にあるSA/PAのレストランが決められたテーマで自慢の一品を提案し、それを実際に昨年10月から各レストランで提供。利用者に投票をしてもらって、その上位のメニューが地区大会で審査される仕組みである。

九州地区では福岡から沖縄まで全部で30の事業者が参加。そのうち利用者からの投票で選ばれた8事業者が、コンテストの当日、実際にそれぞれのメニューを作り、審査員が順番に実食するという手順で行われる。

今回の九州地区大会で調理を行っている様子(著者撮影)
今回の九州地区大会で調理を行っている様子(著者撮影)

調理時間は40分と決められており、実食の順番に沿って時間差で調理に入る。審査は、実食の時間および各事業者の代表や調理担当者との質疑等で10分。入れ替えの時間をはさんで次のメニューへと進んでいく。

審査はネーミング、ご当地感、オリジナリティ、メニュー説明、味覚(おいしさ)、視覚(インパクト、彩り、盛り付け)、お値打ち感の7項目を1人100点満点で点数づけし、審査員全5人の点数を足し上げて行われ、上位2つのメニューがグランプリ/準グランプリに輝くという段取り。審査員同士で相談は一切せず、自らの判断で点数をつける。

今回、私たちが実食した九州地区のグランプリ候補は、次の8つであった。

(1)これぞ、豚丼。~耳納(みのう)いーっとんうまみ三昧~(大分道・山田SA下り)
(2)とんとん丼(沖縄道・伊芸SA下り)
(3)トマトマリネとうまか赤鶏デミカツソース丼(九州道・宮原SA上り)
(4)黒豚のピリ辛丼(九州道・桜島SA下り)
(5)とろっカツ元気丼(九州道・広川SA下り)
(6)秘密の奥八女丼(九州道・広川SA上り)
(7)都城 海はないけど しいチキン(宮崎道・山之口SA上り)
(8)天然穴子のフライと天然真鯛の茶漬け丼 ~宗像・玄界の潮風を丼に乗せて~(九州道・古賀SA上り)


個別のメニューの感想はここでは触れないが、大きく2つの特色を感じた。

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