チェコに登場、欧州初「中国製電車」数々の問題点 長期間認可出ずやっと運行、見かけは立派だが
細かい部分を挙げると、例えばビジネス用座席の場合、自席の前は前の座席のテーブル部分になり、レッグレストの足が収まる構造となっているが、その空間に前の座席の配線(電動リクライニングや読書灯など)がむき出しで垂れ下がっているのが見えてしまっている。一歩間違えれば、足で配線を引っ掛けてしまいかねない。
通常ならカバーをかけたり、壁に打ち付けて足で引っ掛けないようにしたり、という配慮がなされている部分だ。これは日本のメーカーで言うところの「お客様にビスが見えないような配慮」といった細かい部分であり、このような点を気にするのは日本人的な感覚かと思っていたが、ヨーロッパの人たちも同様の印象を持ったようだ。
現地では、「ローコスト座席にコンセントがなかった」という報道も見かけた。実際には前述の通り、隣の座席との間の奥まった場所に設置されているのだが、気付きにくい場所に設置する場合は、きちんと明記する配慮が必要かもしれない。
テーブルの脚が浮いている…
では、実際に乗車した筆者の印象はどうだったか。印象や意見というものは個人の主観が入ったものとなりがちだが、ここから記すことは忖度なしに、あくまで客観的な立場からの公平な見解である。
まず内装などの造りであるが、いろいろなタイプの座席を試すなど、意欲的な仕上がりとなっており、これは非常に評価できる点だ。とりわけ最上級のビジネス用座席は、今後ますます鉄道が見直され、長距離列車の復活も叫ばれている中、多くの鉄道会社が同様の座席を取り入れても良いのではないかと考えられる。
その一方で、現地メディアからも酷評されていた質感という部分においては、かなり改良を要する部分が見られた。前述の配線もそうだが、筆者が驚いたのは、ビジネス座席のサイドテーブルが足を動かしたり触ったりするたびに上下に大きく歪む点で、テーブルの下には脚も付いているのになぜ揺れるのかとよく観察してみたら、なんと脚が床に固定されておらず、1cmほど浮いた状態になっていた。なぜこんなお粗末な構造になっているのかまったく理解できない。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら