チェコに登場、欧州初「中国製電車」数々の問題点 長期間認可出ずやっと運行、見かけは立派だが

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
CRRC シリウス 665形
中国中車(CRRC)製の新型電車「シリウス」665型。2024年2月、チェコのレギオジェットで試験的な旅客営業運行を開始した(撮影:橋爪智之)
この記事の画像を見る(39枚)

チェコの民間列車運行会社レギオジェットは2024年2月5日、中国中車(CRRC)製新型電車「シリウス」665型の試験的な旅客営業運行を開始した。

中国メーカー製の旅客用鉄道車両が乗客を乗せてヨーロッパ圏で営業運行を行うことは史上初めてのことで、地元チェコをはじめヨーロッパ各国の鉄道系メディアが一斉にこのニュースを報じるなど、大きな注目を浴びた。

これまで秘密のベールに包まれていたCRRCの新型電車シリウスはどんな車両なのか。実際に乗車して、その乗り心地などを確認してみた。

当初発注した鉄道会社は「契約破棄」

シリウスは2016年、同じチェコの民間運行会社レオ・エクスプレスによって3編成が発注され、2019年に製造された6両編成の連接式車両で、直流3kVと交流25kV 50Hzに対応した複電圧式となっている。最高速度は時速160kmで、将来的には近隣諸国への乗り入れも検討されていた。

2019年9月からは運行認可を取得するため、チェコ国内にあるVUZヴェリム試験場でテストが続けられていたが、2年以上経過しても運行認可を取得できず、2022年4月にはレオ・エクスプレスとの契約が破棄されたことが伝えられた。

皮肉なことに、その数カ月後にシリウスはチェコ国内の走行認可をようやく取得することになるが、その時点ではすでに契約を切られており、行き場を失った状態となっていた。

関連記事
トピックボードAD
鉄道最前線の人気記事