チェコに登場、欧州初「中国製電車」数々の問題点 長期間認可出ずやっと運行、見かけは立派だが
そこへ救いの手を差し伸べたのが、同じチェコのレギオジェットであった。レオ・エクスプレスとの契約解消後、CRRCは自費でテスト走行を続けていたが、レギオジェットがテスト走行をサポートすると報じられた。2024年に入ると、車体がレギオジェットとして登録され、乗客を乗せた試験走行が現実味を帯びてきた。
最終的に、2月5日から3~4カ月間をメドに、チェコ国内のコリーン―ウスティ・ナド・ラベム間の快速列車R23路線で、試験的な旅客営業を行うことが決定した。今回の運行は、チェコ鉄道庁の許可の基に行われ、合計で5万km走行させることを目標としており、あくまで走行距離を稼ぐための試験的な運行となっている。
国際線航空機並みのビジネスクラス
シリウスは6つの車体を有する連接式で、レオ・エクスプレスで採用されているスイス・シュタドラーのFlirtや、アルストムのコラディアなどと同様のカテゴリーに位置する電車だ。
基本的には運転席背後の部分を除いて低床式となっているが、構造上、100%フルフラットではなく、車椅子で移動する必要がない部分には段差がある。自転車や乳母車などを置くスペース、車椅子対応トイレなども設置されている。車両そのものはTSI(相互運用性の技術仕様)に準拠しており、理論上はヨーロッパ各国での運行が可能となっている。
クラスは、上級座席と通常座席が用意されているが、実際の運行ではレギオジェットの料金カテゴリーであるビジネス(1等)とローコスト(2等)に分けられている。
ビジネス用の座席は、窓側と通路側が交互に配置された、実質的には1+1配列となっており、隣の座席部分には大型のテーブルが配置されている。窓側の人が出入りをする際に通路側の人に配慮する必要がない、飛行機の長距離国際線ビジネスクラスと同様の座席配置、と言えば想像しやすいだろうか。
リクライニングは電動式で、傾斜角度はそれほど大きくはないが、ただ背面が倒れるだけではなく座面も適度に後方へ下がるため、お尻がホールドされ非常に掛け心地は良い。また、フットレストではなくレッグレストが装備されている点も注目で、これは現在運行されているヨーロッパ内の多くの列車でもあまり見かけない。互い違いの1列シート以外にも、グループ向けに対面となっている座席もあり、さまざまな工夫が見られる。
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