チェコに登場、欧州初「中国製電車」数々の問題点 長期間認可出ずやっと運行、見かけは立派だが
一方のローコスト用座席はとくに特徴はないが、1方向向けの固定座席から、テーブルを配置した対面座席など何種類かのバリエーションがある。また、一部の対面式座席には、隣席と一体になったベンチシートも用意されている。ビジネス、ローコストともに各座席に充電用コンセントが配置されているが、ローコスト用座席は隣り合った2つの座席の間に奥まって設置されており、少々見つけづらかった。
また、今回の営業では実際に販売はされなかったものの、通常の2等座席とは別に、背もたれと小さな座面だけを有する簡易座席が設けられていたのは非常に興味深い。以前、LCC(格安航空会社)で開発が試みられた、短時間の搭乗の際に寄りかかって使用するための座席で、航空業界では安全上の問題で採用されなかったものだ。
実際に使ってみたが、普通に立つよりは楽でスペースも有効に活用でき、通勤電車なら一部にこういう座席があっても面白いと感じたが、この列車のような都市間移動に必要かどうかは疑問が残る。超低価格で販売をするのであれば、新たな試みとしては面白いかもしれない。
拭えない「低質感」と耐久性への不安
では、ヨーロッパ各国のメディアの反応はどんなものだったのか。
全般的に、あまり高評価は見られなかったが、まず各誌の試乗インプレッションに共通していたのは、どの座席もヨーロッパの人たちの体格で考えると狭く小さい、と評されていたことだ。身長180cm以上ある筆者の感想としては、確かにローコスト用の座席はなかなか狭いと感じたが、ヨーロッパにはTGVに代表されるように、非常に窮屈な座席の列車がいくつかあるので、そう考えれば言うほどに狭く小さいとまでは感じなかった。
内装がチープで貧相、という意見も多く見られた。地元チェコのメディアを筆頭に、プラスチックの質感が丸出しで、安っぽいと散々な評価が見られたが、実際にそれは筆者も感じた部分だった。とくにローコスト座席の座席背面テーブルは、まるで食堂のお盆のような印象で、耐久性に問題がないか心配になった。いわゆる「目隠し」「飾り」のようなものがないことが低質感を与えている印象だ。
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