中国鉄道メーカー、欧州進出「試験」で悪戦苦闘

受注・製造はできても「認証テスト」が難関だ

チェコ・ヴェリム試験場の留置線に停車中のCRRC製665型「シリウス」(筆者撮影)

2019年9月、グレーのカラーリングを身にまとった真新しい鉄道車両がドイツの港へ陸揚げされ、すぐにチェコへと輸送された。この車両は、世界一のシェアを誇る鉄道車両メーカー、中国中車が製造した新型電車665型で、「シリウス」という愛称を持つ。

特筆すべきは、この車両が中国メーカーとしては初の欧州大陸向け新型旅客用鉄道車両という点だ。

中国国営の鉄道車両メーカー、中国北車集団と中国南車集団が合併して2015年に設立された中国中車(CRRC)は、世界シェアにおいてビッグ3と呼ばれたシーメンス、アルストム、ボンバルディア3社の合計をはるかに上回るモンスター企業だ。

ただ、その収益の9割以上は国内需要に依存している。輸出にも積極的ではあるが、その多くはアジア諸国やアフリカなどの途上国で、鉄道先進国(地域)と呼ばれるヨーロッパ諸国への導入例は皆無だった。

チェコの鉄道に新型電車納入

もちろん、それで世界シェア1位を獲得しているのだから、企業としては十分な実績と言えるはずだ。

チェコ・ヴェリム試験場の作業棟へ移動するCRRC製665型。現在、2編成がヨーロッパへ到着しており、その2編成を使ってテストをする予定だ(筆者撮影)

しかしながら、CRRCとしては、より高度な技術が要求されるヨーロッパへの納入実績があってこそ、世界から認められるという思いもあるだろう。CRRCは最終的に、チェコの民間鉄道会社「レオ・エクスプレス」と契約を結ぶことに成功、新型電車「シリウス」3編成を納入することになった。

レオ・エクスプレスは主に都市間特急を運行する。チェコ国内に高速鉄道はないため、最高速度は時速160kmと欧州域内在来線の標準的な仕様だが、直流3kVと交流25kV・50Hzの2つの電化方式に対応。将来の運行ルート拡大を計画していることから、チェコ国内のみならず、ポーランドやスロヴァキアへの直通にも備えている。

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