中国鉄道メーカー、欧州進出「試験」で悪戦苦闘 受注・製造はできても「認証テスト」が難関だ

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ヴェリム試験場は、コロナが流行している中でも各国から依頼される鉄道車両の試験を受け入れると述べているが、肝心のメーカーの技術者がいないのでは話にならない。CRRCは、急遽現地在住の技術者を雇用し、ようやくテストを再開させた。

ただ、専門家の多くは仮にコロナの流行がなかったとしても、認証テストは簡単に進むものではなかったはずだ、と考えている。

そもそも、レオ・エクスプレスの車両導入計画については当初から疑問の声が上がっていた。2016年9月、レオ・エクスプレスはCRRCと3編成分の本契約、そして30編成分のオプション契約を締結したが、そのスケジュールは2018年6月のダイヤ改正から3編成が営業を開始し、オプションを行使した場合、2019年から2021年にかけて30編成を導入する、というものだった。

「2021年運行開始」は本当か

しかし、契約を結んでから2年足らずで営業運転を開始するのは、いくら製造ペースが非常に速い中国と言っても、ほぼ実現不可能だ。製造自体は可能かもしれないが、その先に待ち構えている認証試験をスムーズに通すことは、それよりはるかに難しい。すでに十分な経験を持っている欧州系メーカーですら、場合によっては数年の遅れが生じるケースがあるのだ。

ヴェリム試験場構内で入れ替え作業中のCRRC製665型(筆者撮影)

レオ・エクスプレスのスポークスマンは、年明け2021年初頭には運行開始できるかもしれないとの声明を出している。だが、最近になってようやくテスト走行にこぎつけ、現状ではテスト走行距離が十分であるとは言えないこの車両が、年明けから営業運転を開始するというのは、あまり現実的とは思えない。

また、車両はテスト中にブレーキをかけた際、滑走してフラット(車輪が削れて一部が平面になってしまうこと)が生じてしまい、2020年12月現在、車輪転削のためチェコ鉄道の工場まで送られている。現地工場を持たない場合、ちょっとした修正にも多くの労力が発生し、時間をロスすることになる。

実際の進捗状況が見えないため予想は難しいが、これまでの流れや前例から、営業開始はテストが極めて順調に進んだとしても2021年の中盤から後半になるだろう、という見方が強い。それも、テスト中に一切のトラブルが生じることなく、非常に難解として悪名高い認証テストの必要書類を期日までにきちんと用意できていることが条件である。状況次第では2022年にも間に合わず、2023年以降までかかるのでは、という臆測も出ている。

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